日頃から慢性頭痛に悩まされている人は、日本人の3人に1人だと言われています。慢性頭痛にも色々ありますが、一番多いのが「緊張性頭痛」で15歳以上の日本人の22.3%を占めています。次に「偏頭痛」が8.4%です。いずれも命に関わるものではありませんが、それぞれの頭痛はその原因や予防法、対処法が大きく異なり、対処法を間違えるとさらに痛みが悪化し、逆効果になることもあります。今回は「緊張性頭痛」と「偏頭痛」についてお伝えします。

 

緊張性頭痛

 

  • 緊張性頭痛とは?

頭の周りの筋肉が緊張して頭全体が締め付けられるように痛む頭痛です。特徴は午後から夕方の疲れが溜まって来た頃に痛くなり、目の疲れや倦怠感とともに痛くなります。痛み方としては後頭部から首筋を中心に頭全体がギューッと締め付けられるような痛みが起こります。

 

  • 原因は?

緊張性頭痛の原因としては、精神的、身体的なストレスが大きな原因だと考えられています。また、長時間同じ姿勢で筋肉が緊張することも原因になると考えられているので、デスクワークの多いサラリーマンやOLは注意しましょう。

 

  • 予防策は?

原因でもお伝えしましたが、長時間同じ姿勢でいると筋肉が緊張して痛みが起こります。姿勢を正して、こまめに休憩を入れるようにしましょう。また、休憩時には簡単なストレッチをして、肩や首の血行をアップさせ、筋肉の緊張をほぐすようにしましょう。さらに、寝ている時の姿勢も重要です。高すぎる枕や柔らかすぎる枕は首の負担になり、知らず知らずのうちに筋肉を緊張させることに繋がります。高過ぎず、柔らか過ぎず、自分にあった枕を選ぶことで予防ができます。

 

  • 対処法は?

ストレスが大きな原因と考えられていますので、頭痛が始まったら心身にストレスを加えていることを中止したり、その場から離れたりして、早めに気分転換しましょう。また、緊張している筋肉をほぐすために、マッサージや蒸しタオル、半身浴などで温めて首や肩の筋肉のコリを取り、血行をよくしましょう。

 

 

偏頭痛

 

  • 偏頭痛とは?

何かしらの理由で脳の血管が急激に拡張して起こる頭痛が偏頭痛です。こめかみから目のあたりがズキンズキンと心臓の脈動に合わせるように痛みます。頭の方がわだけが痛いとは限らず、両側が痛むこともあり、日常生活に支障が出ることもある発作性の頭痛です。特徴としては、体を動かして頭の位置を変えると痛みが増幅することです。また、頭痛以外にも吐き気や嘔吐、めまいなどの症状を伴うこともあり、光や、音、匂いや気圧や温度の変化に対して敏感になることもあります。前兆を感じることも偏頭痛の特徴です。

 

  • 原因

偏頭痛を起こす原因は様々です。ストレスや女性フォルモンの変動、寝不足や寝すぎ、空腹や疲労、光や強い刺激、特定の食べ物も偏頭痛を引き起こす原因となります。

 

  • 予防策

偏頭痛の予防法は頭痛日と環境をチェックすることです。自分がどのような状態の時に偏頭痛が起こるのかを記録しておくことで、原因となる環境を特定し、そうした環境を避けるようにしましょう。週末の寝溜めや二度寝は、空腹と寝すぎが重なって、偏頭痛を重くする可能性があるので、注意しましょう。また、偏頭痛は特定の食品を取りすぎると誘発することがあるので、チョコレート、チーズ、ヨーグルト、赤ワインなどは取りすぎに注意しましょう。

  • 対処法

緊張性頭痛では、温めてコリをほぐすと良いと伝えましたが、偏頭痛はマッサージや入浴などの温める行為は血管が拡張させるので、痛みが増し逆効果となります。冷たいタオルなどを痛む箇所に当て、血管が収縮させ痛みの軽減に役たちます。

また、動きや光、騒音なども痛みが増す原因になりますので、できるだけ、静かな暗い場所で横になりましょう。

コーヒー、紅茶、日本茶に含まれるカフェインは血管を収縮する作用があり、痛みの早期に飲むと痛みが軽減してくれます。しかし、過剰摂取は逆に頭痛を誘発するので、注意して下さい。

 

頭痛は症状をうまく表現、医師に伝えるのは難しいものです。適切な治療を受けるために、受診の際は「受診メモ」を用意して、症状などを整理して下さい。

  • 最初の頭痛はいつ頃から始まったか?

(痛む場所、痛み方、前兆や随伴症状の有無、それ以降の頭痛の頻度について)

  • 現在の頭痛について

(痛む場所、痛み方、前兆や随伴症状の有無、それ以降の頭痛の頻度について)

  • 頭痛の時、温めるのと冷やすのとではどちらが楽になるか?
  • 頭痛の最中に頭や体を動かすとひどくなるか?
  • 頭痛の最中に光や音、においなどを不快に感じるか?
  • 家族や身近な親類に頭痛もちの人はいるか?

 

少しでも体調に不安を感じたら、ご相談下さい。