【コラム】みんなが知らないピロリ菌の危険性⚠️

格闘家の山本”KID”徳郁さんが死去したことが今月18日にわかりました。41歳という若さ、ガンを発表してから1ヶ月も経たないニュースだったので、とても驚きました。原因は胃がんです。胃がんはピロリ菌と密接に関係していると言われています。今回は、胃がんとピロリ菌についてみなさんにお伝えします。ピロリ菌を早期発見して、胃がんを防ぎましょう。

  • ピロリ菌と胃がんの関係

1994年WHO(世界保健機関)はピロリ菌を「確実な発がん因子」と認定しました。これはタバコやアスベストと同じ分類に入ります。ピロリ菌の感染が長期間に渡って持続すると、胃の粘膜が薄く痩せてしまう「萎縮」が進行し、胃がんを引き起こしやすい状態を作り出します。ピロリ菌を除菌すると新しく胃がんが発生する確率を減らすことができる可能性があります。早期胃がんの治療後にピロリ菌を除菌した患者さんは、除菌しなかった患者さんに比べ、3年以内に新しく胃がんが発生した人が約3分1だったと報告されています。WHOの国際がん研究機関は、ピロリ菌除菌は胃がん大幅に減少できることを認めています。

  • どのように感染するの?

ピロリ菌の感染経路ははっきりとはわかっていませんが、口を介した感染や幼少期の生水摂取が大部分だと考えられています。そのため、上下水道が十分に普及していなかった世代の感染率が高く、団塊世代以前の感染率は約80%と高い一方で、若い世代の感染率は低くなっています。ピロリ菌は幼少期に感染すると考えられていて、感染したピロリ菌は、そのまま胃の粘膜にとどまり続け、胃がんや慢性胃炎などの病気を引き起こします。

  • ピロリ菌の症状とは?

ピロリ菌が胃に定着していると言っても、常に症状が現れるということではありません。症状が出るのはピロリ菌が原因で何らかの病気が発症した時のみで、それもピロリ菌保菌者の約3割程度と言われています。ピロリ菌に感染して、胃粘膜の細胞に傷がついている状態で環境因子(ストレスや塩分の多い食事など)が原因で胃潰瘍や十二指腸潰瘍の症状が出たりします。症状は胃もたれや吐き気、空腹時の痛み、食後の腹痛、食欲不振などです。ピロリ菌は慢性胃炎の発症の原因や潰瘍の再発に関係していることがわかっています。胃の不快感が繰り返す時は慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの病気が疑われます。この病気が再発を繰り返す時には、ピロリ菌に感染していることが多いのです。

  • 検査の仕方

当クリニックでは血液検査と呼気検査、2種類の検査が可能です。ピロリ菌に感染している場合または過去に感染していた場合には血液中に抗体が作り出されるため、その抗体を血液検査で調べることでピロリ菌に過去に感染していたか、感染しているかがわかります。また、正確に現在ピロリ菌に感染しているかを調べるのに適した検査は呼気検査です。検査薬を飲む前と飲んだ後、2回呼気を採取し13C-炭酸ガスが含まれているか否かを調べることによりピロリ菌に現在感染しているかを知ることができます。

  • 治療法は?

ピロリ菌の除菌治療は基本的に胃酸の分泌を抑制するお薬と2種類の抗生物質の3つの薬を用いられます。この3つのお薬を1週間服用することで、約8割の方は除菌に成功すると報告されています。場合に応じて胃粘膜を保護する薬剤を併用します。中には1度では除菌できない場合もあるので、除菌後の判定検査を受診し、2次検査を行うこともあります。

 

ピロリ菌保菌者は無自覚なことが多いので、自覚がなくても年に1度の健康診断などのピロリ菌の検査が大切です。また、慢性胃炎や胃潰瘍を繰り返している人もピロリ菌の検査をお薦めします。ピロリ菌を早期に発見することで、胃がんの予防になります。早めに検査を受けるようにしましょう。

少しでも体調に不安がある場合には、ご相談ください。

 

参考資料

http://www.pylori-story.jp/disease/disease/cancer/

https://www.hospital.japanpost.jp/health/health201311.html